時が進むに連れて鬼の力が薄れる中、美紗は鬼の力を十二分に引き出すことができた。

故に同族からも人々からも畏れられ、恐れられ……。

彼女はどこか肩身の狭さを感じていた。

鬼の力が強いせいか、美紗は人一倍欲が強かった。

何かを斬りたいという欲、可愛いモノを愛でたいという欲、甘いものを食べたいという欲……そして、何かに甘えたいという欲。

全てを理解してくれた母親は甲斐甲斐しく美紗の世話をしていたのだが、とある悪鬼に殺される。

激闘の末悪鬼を斬り、滅した美紗だったが、心の拠り所を失ってしまう。

欲は強まるばかりで……そして。

色々あってエテメンアンキにやって来た。